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診断と治療

てんかんの検査

脳波検査

てんかんは脳の神経細胞の電気的発射によっておきますが、この過剰な発射を脳波検査で記録することができます。そのため、脳波検査はてんかんの診断のために最も重要な検査です。
脳波検査は診断のみでなく、てんかんの発作型の判定にも役立ちます。何回検査しても安全ですし、痛みもありません。

CT検査/MRI検査

CT検査は、人体を横断する一平面に対していろいろな角度から細いX 線をあて、それをコンピュータで再構成し画像にする方法です。これによって、脳腫瘍、脳卒中(脳血管障害)などの脳の病気の診断が飛躍的に向上しました。
MRI検査は、X 線ではなく、磁気共鳴という原理を用いて画像を作ります。CT と異なり、縦、横、斜めなど好みの方向の断面が得られ、CT で写らなかった細かい変化も見ることができます。
てんかん発作は、さまざまな原因によっておきます。脳腫瘍の症状の一つとしておきてくることもあります。特に学童期以降に初めててんかん発作をおこした場合は、脳腫瘍などの脳疾患の疑いを持って、CT検査やMRI検査を行います。

血液・尿検査

血液・尿検査もてんかんの診断に欠かせない検査です。
てんかん発作は、例えば先天性代謝異常や脳炎のような中枢神経の感染症でもおきることがありますので、原因検索のため、血液・尿検査をします。
また、てんかんの薬物治療は長期間にわたり薬を飲み続ける必要があるので、服用する前に体の状態を調べる必要があります。
そして、治療を受けている場合には、薬による副作用のチェックをするために、血液検査(肝機能検査、電解質検査など)、尿検査をします。また、現在服用している抗てんかん薬の量について検討するために、血液中の薬の濃度(血中濃度)も測定します。

てんかんの治療

てんかんの治療は、抗てんかん薬を毎日規則的に服用し、発作を抑制していく薬物療法が主流です。そのほかにも外科治療食事療法などもありますが、まずは十分な薬物治療を行って、期待した効果が得られないときに検討をします。

抗てんかん薬/薬物療法

抗てんかん薬は、脳の神経細胞の電気的な興奮をおさえたり、興奮が他の神経細胞に伝っていかないようにすることで発作の症状をおさえる薬のことを言います。
薬物治療にあたっては、①毎日規則正しく服用する、②生活リズムを整えて暴飲暴食・睡眠不足を避ける、③勝手に服薬を中断しない、ことが大切です。
抗てんかん薬は、てんかん発作型、年齢、性別などを考慮して選択します。選択の目安となる基準はありますが、どの薬をまず選択するかなどの細かな治療法は、医師の臨床経験、考え方によって、多少の違いがあります。
選択された薬が適薬かどうかは、発作に対する効果と副作用の有無によって決まります。
1種類の薬で発作を抑制する単薬療法が好ましい形ですが、1種類のみでは発作が抑制されないときには、2種類以上の薬をもちいる多薬療法をおこないます。

外科治療

薬物療法で発作が抑制されない難治性てんかんに対して、外科手術による治療を検討します。ただし、すべてのてんかんに外科治療が可能であるわけではなく、発作の始まる部分がはっきりしている、部分てんかん(側頭葉てんかん等)で、その部分を切除しても障害が残らない場合、外科治療が可能です。また、治療経過や年齢、発作の頻度、発作のタイプなどの要因も総合的に判断して治療を検討します。
外科手術には発作消失を目指す根治手術(こんちしゅじゅつ)と、発作が少しでも軽減することを目的とする緩和手術(かんわしゅじゅつ)があります。緩和手術のひとつに迷走神経刺激療法(めいそうしんけいしげきりょうほう)があります。

迷走神経刺激療法

日本では2010年に保険承認された治療法です。左の首の部分の迷走神経に電極を留置し、左胸皮下に入れたパルスジェネレータからリード線を通じてオンとオフを繰り返して継続的に電気刺激を送ります(ノーマルモード)。右側の手術をすると心臓に影響が出る可能性がありますので、左側でしか手術はできません。発作の前兆や発作直後に本人やご家族などが付属の強力磁石を衣服の上から胸に当てる方法(マグネットモード)や、心拍上昇によって自動的に(オート刺激モード)通常より強い持続的刺激を発生することによって発作を抑える働きもあります。手術後2~3年まで効果が徐々に増し、発作が50%以上減少する患者さんの率は約60%、発作消失は約7%、迷走神経刺激療法を行っても無効な場合が25%ほどといわれています。
迷走神経刺激療法について詳しくお知りになりたい方は、日本光電工業株式会社(パルスジェネレータ製作会社)のサイトを確認してください。

食事療法

抗てんかん薬による治療を行っても発作が抑えられない難治性てんかんの場合に検討します。代表的なものに「ケトン食療法」があります。ミオクロニー発作や脱力発作などの難治性発作を抑制する効果のほか、発達や精神面の改善効果がみられることもあります。適応年齢は、ほとんどが5歳以下の子どもです。

抗てんかん薬の副作用

てんかんの治療は、長期にわたり服薬が必要ですので、薬の副作用は特に重要な問題です。
薬には有効性(発作の抑制)がある反面、好ましくない効果があることもいなめません。薬の種類のよってもことなりますが、副作用は以下のようなものがあります。

  1. 薬に対してアレルギー反応がでる
    例)発疹など
    →速やかに服薬を中止する必要があります
  2. 薬の量が多すぎる場合
    例)眠気、ふらつきなど
    →ほとんどの薬でみられる副作用で、薬の量を調節することで和らぎます
  3. 長く服薬し続けることで体に影響がでる場合
    例)肝臓機能低下、血液中の白血球減少、歯肉増殖、多毛、脱毛など
    →気になることがあったときは早めに医師に相談しましょう

薬物治療の終結

てんかんの発作の原因や、重症度、脳の障害の程度にもよりますが、適切な薬物療法によって、発作の消失、発作の回数を減少させることができます。
また、発作が消失している期間が小児で2~3年、成人で5年以上つづき、医師が服薬中止可能だと判断すれば、3~6ヶ月かけてゆっくりと薬の量を減らしていきます。
服薬を中止した後も発作の再発がなければ、てんかんが治癒したと言えます。
しかし、薬の中止後も発作が再発する場合もありますので、半年から1年の1回程度、脳波検査を含む診断を定期的に受けましょう。

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